本文へスキップ

身柄拘束事件の起訴前の刑事事件の流れ

渋谷駅徒歩5分・池袋駅徒歩2分・横浜駅徒歩5分
【刑事事件に迅速対応!】平日20時・土日祝17時まで営業

身柄拘束事件の起訴前の刑事手続の流れ

1 身柄事件

⑴ 犯罪行為をしてしまった、犯罪に関与してしまった

 ちょっとしたきっかけや、過ち、ついカッとなって、犯罪行為を行ってしまったり、犯罪に関与してしまったりする可能性は誰にでもあります。そのような場合、自分は今後どうなってしまうのか、ご不安になられるかと思います。以下、刑事事件に発展してしまった場合のその後の流れを、逮捕などの身柄拘束を伴うケースについて解説します。

⑵ 在宅事件と身柄事件

ア 在宅事件

 罪を犯してしまった場合、一般的なイメージとして、逮捕されてしまうことが不安になる方が多いかと思います。しかし、罪を犯してしまった場合でも、必ずしも逮捕されるわけではなく、日常生活を送りながら、警察の呼出しに応じて出頭し取り調べを受け、起訴・不起訴の判断をされるというケースもあります。このような事件を在宅事件などといいます。

イ 身柄事件

 在宅事件に対し、法律で定められた要件に該当するとして、逮捕され、その後も身柄拘束を受けながら取り調べを受け、起訴・不起訴の判断をされるというケースを、身柄事件などといいます。身柄事件の場合、以下のような流れで事件が進んでいきます。

① 逮捕
  ↓ 逮捕から48時間以内
② 
検察官に送致(留置の必要がある場合。ない場合は釈放)
  ↓ 送致を受けてから24時間以内(身体拘束開始から72時間以内)
③ 
裁判官に勾留請求(留置の必要がある場合。ない場合は釈放)
  ↓ 東京地裁では基本的に請求の翌日。それ以外の裁判所の場合の多くは当日
④ 
裁判官が被疑者に勾留質問のうえで勾留請求を認めるか否か判断
  ↓ 勾留請求を認めた場合(認めなければ釈放)
⑤ 
10日間の勾留(勾留請求の日から起算)
  ↓ 勾留満期までに起訴不起訴を決めるための捜査が終結しなかった場合
⑥ 
裁判官に勾留延長請求
  ↓
⑦ 
裁判官が勾留延長請求を認めるか否か判断(被疑者への質問はない)
  ↓
⑧ 
最大10日間の勾留延長(裁判官の判断で短縮して勾留延長がされることもある)
  ↓
⑨ 
A 起訴:勾留延長の満期までに起訴するための捜査を終えた場合
  B 処分保留で釈放:勾留延長の満期までに起訴するための捜査を終えなかった場合
  C 不起訴(嫌疑なし/嫌疑不十分/起訴猶予)

  ↓ Aの場合
⑩ 
起訴後勾留(期限なし)
  ↓
⑪ 
弁護人による保釈請求
  ↓
⑫ 
保釈が認められた場合:釈放されて裁判を待つ
  保釈が認められなかった場合:勾留された状態で裁判を待つ

  ↓
※ 保釈請求は何度もすることが可能
  ↓ 事案によるが大半のケースでは概ね2か月程
⑬ 
公判(1回か2回の期日で審理を終結し、判決へ)
  ↓ 1週間程度(それまで保釈されなかったケースでもこの間は保釈される可能性)
⑭ 
判決

 以下では、上記身柄事件の流れの内、⑨A起訴がされるまでの手続について説明します。
 
 ⑨A起訴がされた後の手続に関しては、「刑事事件の流れ(身柄拘束事件 起訴された後)」の記事をご参照ください。

2 逮捕

⑴ 逮捕とは?

 逮捕とは、捜査機関が、被疑者に対して、逃亡や証拠の隠滅を防止する目的から、一時的に、その身体を強制的に拘束する手続をいいます。原則としては、裁判官の発付する逮捕状に基づいて行うことになりますが、一定の場合には、現行犯逮捕など逮捕状に基づかないで逮捕をすることも認められています。

⑵ 逮捕による身柄拘束期間

 逮捕をされた場合、警察官は、釈放を認めない場合、48時間以内に検察へ送致する必要があり、送致を受けた検察官は、24時間以内に勾留請求をするか釈放する必要があります(刑事訴訟法203条1項、205条1項2項)。そのため、逮捕という手続では、最大で72時間(3日間)の身体拘束がなされます。基本的には、逮捕されている間は、警察署の留置施設内に拘束されることになります。例えば、渋谷駅に到着する電車の中で痴漢をしてしまい、渋谷駅で降ろされて逮捕されたという場合や、渋谷の居酒屋で酔っ払って暴行行為をしたというケースであれば、渋谷警察署にて身体拘束されることになります。

3 勾留

⑴ 勾留とは?

 勾留とは、逮捕された被疑者に、住所不定、逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれといった事情が認められる場合に、検察官の請求によって、裁判官の発付する勾留状に基づいて行われる身体拘束手続です。

⑵ 勾留による身柄拘束期間

 勾留による身体拘束期間は、原則として10日間です(刑事訴訟法208条1項)。その間、逮捕時に留置されていた場所と同じ警察署の留置施設内に拘束されることとなりますので、渋谷警察に逮捕されたのであれば、そのまま渋谷警察署にて勾留されることになります。

4 勾留延長

⑴ 勾留延長とは?

 勾留延長とは、勾留期間の間に、検察官が起訴・不起訴を決定するに足る捜査が終結せず、やむを得ない事由が認められる場合に、検察官の請求、裁判官の判断を経て、勾留期間を延長するという形で行われる身体拘束手続です。やむを得ない事由があるときに、というように例外的手続の位置づけではありますが、実際には、勾留をされた場合の多くのケースで勾留延長がされるという状況にあります。

⑵ 勾留延長による身柄拘束期間

 勾留延長の期間は、特殊な犯罪に係る場合を除いて、最大で10日間です(刑事訴訟法208条2項)。  裁判官の裁量や、弁護人の申立を受けた結果、期間が短縮されることもあります。

5 逮捕されてしまったときに想定される身体拘束期間

 このように、逮捕をされると、勾留に至らなくても、最大で3日間、勾留されてしまった場合には、起訴までの間、最大で23日間、身柄拘束をされながら取り調べを受けることになります。

6 再逮捕・再勾留

 報道等で、再逮捕という言葉を聞いたこともあるかと思います。本来、法律上、一つの被疑事実について、再度逮捕したり勾留したりすることはできません。身柄拘束の不当な長期化を防止するためです。報道等で使われている再逮捕の意味は、ある被疑事実で逮捕・勾留された者に、別の余罪があった場合に、勾留(延長)の満期をもって、いったん釈放した後に、余罪について再度、逮捕、勾留の手続をとっていくことを指すものです。
 例えば、覚せい剤事犯であれば、覚せい剤の所持と使用は、それぞれ別途罪を構成する事実となりますので、所持で逮捕・勾留→使用で逮捕・勾留ということがあり得ます。また、被害者が複数いるようなケースや、連続して何件も窃盗をしていたようなケースでも、このような手続きがとられることがあります。一つの罪に対して、前述のように最大23日間の身体拘束がありうるところ、再逮捕再勾留となると、別の罪に関して、また23日間の身体拘束が繰り返されるということになります。

 詳しくは「再逮捕とは?」の記事をご参照ください(制作中)。

7 起訴

 身柄拘束がされた場合、勾留(延長)の満期までに、検察官は、被疑者を起訴するか否かを決定します。起訴とは、検察官が、裁判所に対して、被疑者の被疑事実に関しての審理を求めることをいい、これにより、いわゆる刑事裁判が行われることになります。
 略式起訴など、いわゆる裁判をしないケースもあります。詳しくは「起訴とは何か」の記事をご参照ください。

 起訴をされると、被疑者は、被告人となります。最大23日間の拘束と述べてきましたが、これはあくまで起訴前の手続として拘束される期間を示すものであり、この期間が終わったからといって、釈放されるわけではありません。放っておけば、判決が出るまで身体拘束は続きます。ただ、起訴をされたときから、保釈という手続をとることができるようになり、保釈が認められれば、解放されることになります。

 保釈について、詳しくは「保釈とは?どのような場合に認められるか」の記事をご参照ください。

8 逮捕・身柄事件は弁護士に相談を

⑴ 身柄解放

 これまで述べてきたように、逮捕され、身柄事件となると、起訴までに最大23日間の身体拘束があり、起訴後も保釈が認められなければ裁判終了まで身体拘束は続きます。しかし、弁護士が適切な対応をすることによって、早期に身柄解放をすることもできます。身体拘束により、会社や学校などの日常生活に与える影響は甚大ですので、一刻も早い身柄解放のためにも、早期に弁護士に相談することが必要になります。

⑵ 接見対応

 身体拘束がされている間は、ただ拘束されるのではなく、警察や検察から取り調べを受けることとなります。その取り調べの内容が、起訴不起訴の判断の基になりますし、裁判での判断材料にもなってきますので、取り調べへの対応は、非常に重要なポイントです。専門的知見を有する弁護士のアドバイスが必要になるでしょう。また、勾留中は、ご家族との面会ができるようになりますが、制約が多く、話したいことを十分に話すことは難しいといえますし、面会が禁止されることもあります。一方で、弁護士との接見については、時間や回数の制限もないので、時間をかけて話すこともできますし、会社等の関係で外部に伝達したいことなども連絡することが可能です。

⑶ 早期対応が肝心です

 各拘束手続において、身柄解放のために弁護士から意見書を出したり、不服を申し立てることができます。弁護士への相談が早いほど、その機会も増えますし、できることも多くなります。また、取り調べ対応に関しても、一度話したことを後で覆すのは困難なため、初期の段階から、どのように対応すべきかの対策を講じる必要があります。ご家族が逮捕されてしまった、今後逮捕されるかもしれないというときは、すぐにオリオン法律事務所にご相談ください。渋谷周辺エリアでの刑事事件経験を多く有する弁護士が対応いたします。


著作者:弁護士 枝窪 史郎

前のページに戻る

弁護士法人オリオン法律事務所の法律文献

弁護士法人オリオン法律事務所

刑事事件案内トップ > 刑事事件の流れ > 身柄事件(起訴前)

バナースペース

スマホでご覧の方へ

本サイト内の各ページへはページ左上のボタンからリンクして下さい。

弁護士法人オリオン法律事務所

オリオン渋谷事務所
東京都渋谷区神南1-11-4
FPGlinks神南6階
TEL 03-5489-7025


オリオン池袋事務所
東京都豊島区南池袋2-15-3
前田ビル3階
TEL 03-5957-3650


オリオン横浜事務所
横浜市西区北幸1-11-15
横浜STビル2階
TEL 045-900-2817

営業時間

平日… 9:30~20:00
土日祝 9:30~17:00

対応地域

東京都
豊島区│板橋区│練馬区│文京区│新宿区│中野区│北区│台東区│墨田区│荒川区│足立区│葛飾区│江東区│港区│渋谷区│目黒区│杉並区│大田区│世田谷区│品川区│西東京市│東久留米市│清瀬市│武蔵野市│三鷹市│小金井市│その他の市区町村


埼玉県
さいたま市│川口市│戸田市│蕨市│和光市│朝霞市│新座市│志木市│その他の市町村


神奈川県
横浜市│川崎市│大和市│厚木市│相模原市│鎌倉市│綾瀬市│座間市│海老名市│藤沢市│逗子市│横須賀市│茅ヶ崎市│平塚市│その他の市町村