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起訴と略式起訴について

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起訴・略式起訴とは

1 刑事事件では必ず裁判をするのか

 刑事事件と聞くと、ドラマ等の印象から、裁判の場面を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。しかし、全ての刑事事件について、法廷での裁判手続を行って有罪無罪を決めていくものではありません。中には、いわゆる裁判の手続を行わずに、簡略化された手続きで処理する場合もあります。

2 起訴について

⑴ 刑事事件の流れ

 犯罪に該当する行為をしてしまった場合、被害届や通報、職務質問などによる犯罪事実の発覚、警察の捜査、検察官の捜査、起訴不起訴の判断、起訴された場合には裁判といった 流れで、最終的に、罪を犯したのか否か、その罪の重さについて、判断され、相応の刑罰が科されることになります。

⑵ 起訴とは何か

ア 起訴とは

 上に述べた流れの内、裁判をするか否かに関係があるのは、検察官による起訴・不起訴の判断になります。 起訴とは、罪を犯したと疑われる者について、検察官が、裁判所に対して、裁判によって審理し、有罪無罪、相当な刑罰についての判断を求めることをいいます。

イ 起訴には2種類の方法がある

 起訴をする場合、法廷で、証拠を基に審理を行うことを求める通常の起訴と、法廷での正式な裁判手続はせず、簡略化された裁判手続を求める略式起訴の2種類があります。

⑶ 起訴されたらどうなる?

ア 刑事裁判になる

 基本的には、起訴された場合、法廷に被告人が出廷して、書面上の証拠や、法廷での尋問などで述べたこと、証人の発言などの証拠を踏まえて、判決を受けるという、裁判手続が行われることになります。

イ 裁判を行わない場合も

 しかし、裁判における審理は、検察官の主張から始まって、書面上の証拠の検討、証人の尋問、被告人への質問、これらを踏まえた検察官の求刑、弁護人による主張等を経て、裁判所が判断を下すなど、多くの手続を行います。そのため、被告人が罪を認めているような事件でも、審理に1時間ほどは要し、また、判決のために別に期日を設けるなど、時間もかかります。起訴された全ての刑事事件についてこのような手続をすることは、相当に困難といえます。そこで、一定の場合には、略式起訴を受けての略式裁判、略式命令という簡易な手続による裁判をすることが、法律上認められています(刑事訴訟法461条)。

3 略式起訴

⑴ 略式起訴とは?

 略式起訴とは、公開の法廷での正式な裁判手続はせず、書面審理のみで罰金・科料の刑罰を科す簡略化された裁判をすることを求める起訴の形式です。上記のとおり書面審理のみですので、被告人は、法廷に出頭することも、自身の主張をするということもありません。

ア どのような場合になされるか

 法廷で被告人が主張等することがない手続きであることや、制度の趣旨から、略式起訴ができるのは一定の場合に限られています。簡単に言えば、罪を認めていて、比較的軽微な事件である場合ですが、具体的には、以下の条件を満たすことが必要です。

  1. 100万円以下の罰金・科料に相当する事件であること
  2. 被疑者が被疑事実を認めていること
  3. 被疑者が略式手続とすることに同意していること
イ どのような結果になるか

 結果としては、罰金または科料が科されるということになります。罪を認めていることが前提となるので、無罪となることはありません。また、そもそも略式起訴ができる場合が、罰金・科料相当の場合となっているので、懲役刑になり刑務所に行くということはありません。

ウ 略式起訴のメリット・デメリット  

 被疑者の同意が必要であることから、略式起訴としてよいかどうか、被疑者にも判断が問われます。同意を求める際に、検察官から説明もされ、本来よく理解した上で選択すべきものですが、経験上、被疑者において、必ずしもよく理解していないと思われるケースも散見されるため、以下に略式起訴のメリット・デメリットを示します。

【メリット】①非常に短期間の手続で終了する。②裁判が公開されない。

 正式裁判となれば、起訴されてから裁判が終わるまでに、罪を認めている事件でも、2カ月から3カ月を要し、罪を認めていない場合には半年から1年、長い場合ではもっと時間がかかります。 これに対し、略式起訴→略式裁判→略式命令は、手続自体は、起訴された段階で終了し、あとは命令を受けて罰金を納付するだけです。特に身柄拘束されている場合などは、起訴後にすぐ解放される可能性が高い点がメリットといえます。 また、裁判は公開の法廷で行われるので、傍聴人には事件の存在や、裁判の内容を知られることになります。

【デメリット】①法廷で自身の主張をすることはできない。②無罪になる可能性はなくなる。

 主に、本当は罪を認めたくないというケースや、罪自体は認めているものの、事情について話して、減刑を求めたいという場合には、略式起訴ではその可能性がなくなるので、事件についての自分のスタンスと、上記のデメリットを検討する必要があります。

⑵ 前科との関係

ア 前科はついてしまう

 罰金等の刑を科される場合も、前科にあたります。刑務所に行ったわけではないから、前科はつかないということにはなりません。

イ 前科があるときでも略式起訴になる?

 犯罪を繰り返してしまう場合、基本的には、2回目、3回目となるにしたがって、罪は重くなります。罰金刑→懲役刑(執行猶予)→懲役刑(実刑)というようなイメージです。ただ、必ずしもこのとおりになるわけではなく、一度罰金刑を受けて前科がある場合でも、略式起訴となることはありえます。

4 略式起訴については弁護士に相談を

⑴ 不起訴処分を目指す

 以上のように、比較的軽微な事件で、罪を認めている場合には、罰金刑が科される可能性があります。しかし、そのような場合には、適切な弁護活動によって、そもそも起訴猶予として、略式での起訴もされないという状態を目指す余地があります。略式起訴を受けて罰金刑を科されるのと、起訴猶予とでは、前科がつくかつかないかという大きな差があります。状況が許す以上は、起訴猶予を目指すべきですが、それには示談交渉や不起訴意見書の提出など、弁護士の介入が必要であると考えられます。

⑵ 早めのご相談を

 ここまで述べたことをよく知らずに、略式起訴とすることに同意して、罰金刑を受けることになってしまった後では、取り返しがつきません。 正確には、刑が言い渡されてから14日間は不服申立をし、正式な裁判を求めることはできますが、なしうる弁護活動は限られてきます。例えば、魔が差して渋谷駅で盗撮をしてしまった、渋谷の居酒屋で酔って人を殴ってしまったというような事件であれば、何もしなければ略式起訴による罰金刑が予想されますが、早期に弁護士に相談し、不起訴を目指すこともできます。 まずは、オリオン法律事務所までご相談ください。


著作者:弁護士 枝窪 史郎

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