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盗撮行為をしてしまった…示談できるか?

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盗撮事件の示談の重要性

1 盗撮行為をしてしまった

 盗撮をしてしまい警察から連絡が来た、盗撮をしてしまったが自分は今後どうなるのか、そのようなご相談を多くいただきます。盗撮行為といっても、様々な類型がありますが、基本的には、相手方の同意などの正当な理由なく、通常衣服で隠されている下着や身体を、写真機等で撮影したり、撮影機器を差し向けたり、設置する行為が、刑事事件として取り扱われます。実際、ご相談いただく事案の中では、駅やお店、路上で、女性のスカートの中にスマートフォンを差し入れ撮影した、更衣室やトイレにカメラを仕掛けたというものが多い傾向にあります。また、風俗店でサービス受ける際に、黙って撮影してしまったというようなケースもあります。
 これらの行為は、都道府県の迷惑行為防止条例に違反するため、刑事事件となります(都道府県によっては、住宅内等、公共の場所以外での撮影行為は迷惑行為防止条例の取締対象ではなく、軽犯罪法という法律で取り締まられることもありますが、いずれにしても刑事事件として扱われうることには変わりありません。
 詳しくは「盗撮はどのような罪になる?」の記事をご参照ください。)

2 盗撮行為をしてしまった場合に予想されること

⑴ 警察からの連絡

 まず、盗撮行為をし、これが被害者・目撃者の通報などにより、捜査機関に発覚した場合、警察から、話を聞きたいので警察署に出頭するよう求められるということがあります。その場合、これを正当な理由なく拒否すれば、逮捕されてしまう可能性もありますので、出頭して取り調べを受けることが望ましい対応といえますが、事前に弁護士に相談することをおすすめします。

⑵ 逮捕されてしまうことも

 出頭を拒否すれば逮捕されてしまう可能性がある他、罪を認めていないケース、盗撮による前科や前歴があるケース、盗撮行為が発覚したその場で逃亡や証拠隠滅を図ったというケース、被害者と被疑者が密接な関係にあり、被害者に接触して圧力をかけることが考えられるケースもあります。盗撮行為を行ってしまい、逮捕されないか不安のある方は、まず弁護士に相談しましょう。逮捕回避のために、準備を整えて自ら出したり、意見書を提出したりすることができます。

⑶ 見込まれる処分

 盗撮行為について捜査機関から捜査を受けた場合、これが在宅の形で行われるか、逮捕等身柄拘束を伴って行われるかを問わず、検察官により、起訴するか否かの判断を受けることになります(起訴とは、有罪か否か、その罪の重さについて、裁判により判断するよう請求することです。実際には裁判を行わない略式の手続もあります)。
 起訴されてしまった場合、略式手続により罰金刑となるか、公判廷での裁判を経て、罰金ないし実刑判決を受ける可能性が高いです。撮影件数や撮影態様などにもよりますが、傾向として、初犯であれば、罰金刑となることが多いです。そのため、盗撮によりいきなり刑務所に行くようなケースは多くないですが、罰金刑であっても前科がつくことには変わりなく、前科がつくことは、今後の人生に多大な影響を及ぼしてしまいます。前科がつくことを避けるには、不起訴処分となるよう適切な対応をすることが必要です。
 前科による影響について、詳しくは「前科とは何か」の記事をご参照ください。

2 不起訴処分獲得に向けて

⑴ 示談をすることの重要性

 盗撮事案において、不起訴処分となるために最も重要なことは、被害者の方に謝罪と賠償をし、刑事処分は望まない旨の意思表示をしてもらう、いわゆる示談を行うことです。刑事事件における示談は、被害者の方の被害感情が低減し、一定の被害回復を受けたことや、被疑者の真摯な反省を示す事情としての意味を持ちます。検察官は、起訴するか否かを判断するにあたり、この事情を重く見る傾向にあります。
 実際、盗撮事案において、示談ができたケースは、他の罪にも該当するとか、複数件立件された事件の一部しか示談できていないとかいった場合を除いて、非常に高い割合で不起訴処分となっています。

⑵ 示談をするには

 では、示談は実際にはどのように行っていくのでしょうか。

ア 弁護士による示談

 ⒜ 弁護士介入の必要性

 実情に照らせば、盗撮事案において示談をするには、弁護士の介入が必須といえます。盗撮は、性犯罪に分類されるものといえ、被害者の方が、被疑者と接触することに強い抵抗があるのが通常です。そのため、そもそも被害者の方のお名前や連絡先を教えて貰うことすら、被疑者本人では困難です。
 示談は当事者間の約束事なので、警察等は介入しません(稀に事実上介入しているというようなケースもありますが、少なくとも、被疑者に有利な進め方をしてくれるということはないでしょう)。
 よって、示談をしていくには、被疑者の側で弁護士に依頼して進めるのが一般的です。被害者の方が弁護士をつけることもあり、その場合は被疑者の側で弁護士に依頼しなくても示談手続を進められますが、被害者の方の意思に係ることですので、これに期待することはできません。被害者の方に誠実に謝罪をし然るべき賠償をして不起訴処分獲得を目指したいと思うなら、弁護士に依頼することが事実上必須といえます。

 ⒝ 具体的な示談の流れ

 弁護士が介入し、示談に向けて動いていくとなった場合、まずは警察等を通じて、被害者の方に、謝罪と賠償を申し入れます。被害者の方において、話を聞いてくれるということであれば、ご連絡先等を弁護士限りで開示してもらいます(この連絡先については、依頼者の方であっても一切開示することはできませんし、決して他者に知られることのないよう、弁護士は最大の注意を払っています)。
 そのうえで、弁護士からご連絡し、謝罪と賠償の意向をあらためてお伺いして、具体的な賠償のお話、その他の約束ごとなどを、お話していくこととなります。そして、最終的には、被害者の方に、金銭支払いを含めた各種お約束事に納得いただき、これら約束事項と、被害者の方において刑事処分を望まないという旨を記した書面に署名・押印をしてもらい、示談が成立することになります。

イ 示談に係る賠償金額はいくら?

 示談の趣旨とするところは、謝罪が第一ですが、被害者の方としては、単に謝罪を受けただけでは納得することはできないというのも実情です。そこで、形として示すことのできる償いの手段として、賠償金をお支払いするということが多いです。
 よく示談金はいくらお支払いするべきなのか、相場はあるのかといったご相談をいただくことがあります。これについて、いわゆる相場というものはないといってよいでしょう。あくまで、被害者の方が納得できるか否かがポイントになってきます。ただ、無制限にお支払いをするというのも妥当ではなく(むしろ高い金額を支払えばいいという被害者感情を無視した発想につながりかねません)、支払われる金額は、法的に相当な範囲となるべきです。
 そこで、行為の悪質性や被害の程度の評価という側面から、当該事件において見込まれる罰金刑が一つの目安となりうるといえます。また、損害に対する法的な金銭評価という意味で、仮に民事事件として訴えた場合の(類似事案における)裁判例で認められる金額の傾向も、目安となりえます。これら目安となる金額に、個々の事案ごとの事情を勘案していきます。例えば、被害者の自宅にカメラを仕掛けたような、被害者の自宅を被疑者が知っているケースでは、引っ越しの費用の支払いを求められることもあります。さらに、被疑者の資力も、現実的な問題として、一つの考慮要素といえるでしょう。
 このように、示談金の金額はケースバイケースではありますが、一定の傾向や事案に応じた金額の合理性を弁護士において判断することは可能ですので、まずはご相談ください。

ウ 金銭支払い以外の約束事

 先程もお話したように、被害者の方は、被疑者とは今後一切接触したくないという気持ちを持っていること多いです。 そのため、示談の中で、具体的に、今後二度と接触しないような方策を定めていくことがあります。
 例えば、渋谷駅で盗撮をしたという事案であれば、今後渋谷駅から半径〇キロメートル圏内に立ち入らないことをお約束するなどが考えられます。とはいえ、仕事の都合など、どうしてもそのようなお約束はできないということもあるかと思います。弁護士が適切に対応することで、ご依頼いただく方と、被害者の方の双方に配慮し、円滑に妥結点を探っていくということも可能です。

⑶ 示談ができないケース

ア 被害者の方が示談を望まない場合

 示談においては、まず弁護士から、警察等を通じて、被害者の方に、被疑者の謝罪と賠償の意思を伝達してもらい、弁護士に連絡先を開示してくれるかどうかを尋ねます。
 この際、被害者の方が、何を言われても許す気はないとして、連絡先の開示自体を拒否することもあります。 交渉自体を拒否されている以上、示談をすることはできません。このような場合でも、弁護士としては、例えば、事件が検察に送致された際に再度申入れを行ったり、手紙を警察等に託してこちらの気持ちを伝えるなどして、粘り強く交渉をしていきます。

イ 被害者が不明な場合

 示談は、被害者の方が誰であるかが分かっていないとすることができません。盗撮事案においては、例えば、目撃者が通報し、被害者は被害に気付いていないというようなケースや、被害者の被害届により、1件の盗撮で捜査された結果、他にも盗撮をしていたことが発覚したものの、被害者が誰であるかは不明というようなケースが考えられます。
 このようなケースでは示談をすることができないため、被疑者の反省を示す別途の対応が必要になります。

ウ 示談ができないケースにおける対応

 示談ができない場合であっても、不起訴処分獲得のためになしうる活動はあります。
 例えば、被害者の方のご住所等が分っているケースであれば、管轄の供託所に、賠償金を供託するといった方法があります。贖罪寄付といって、弁護士会や各種団体に寄付を行い、被害者救済等の公益活動に役立ててもらうことで反省を示す方法もあります。
 また、盗撮の場合、ある種、病的といえるケースもあります。そのような場合、性嗜好障害専門の治療機関での治療をしていくことで、真摯に反省をしており、再犯可能性がないことを示していきます。単にカウンセリングを受けたというだけではなく、どれほど具体的かつ積極的に治療に取り組んでいるかがポイントとなるでしょう。
 そして、これらの活動を含めて、被疑者を不起訴処分とすべき事情があることを適切に主張した不起訴意見書を、弁護士から検察官に提出することで、示談ができないケースでも、不起訴処分となりえます。

⑷ 盗撮ハンターに注意

 示談と関連して、一点、注意しなくてはならないこととして、盗撮行為を目撃した人物から、暗に、金銭を支払えば、通報はしないことをほのめかして、示談をもちかけられるということがあります。このような話を持ちかけてくる人物を、盗撮ハンターと呼ぶことがあります。
 そもそも被害者でない人物に金銭の支払いをしても刑事処分に対する効果はありませんし、仮に示談したとしても、後に発覚しない保障はありません。弱みにつけ込み追加の支払いを求めてくるのも恒例といえます。問題が拡大してしまうおそれがありますから、そのような話を持ちかけてくる人物がいた場合には安易に金銭支払をせず、弁護士に相談しましょう。

3 弁護士に相談を

 このように、示談をしていくには、弁護士の介入が必須です。弁護士の対応によって、真摯な反省の気持ちを、被害者の方に適切に伝えることができます。
 また、示談ができないケースでも、弁護士に依頼することでとりうる不起訴処分獲得のための活動も多々あります。
 これらを効果的に行うには、刑事事件対応の豊富な弁護士への相談が必要になります。盗撮行為をしてしまい、今後に不安のある方は、まずは、オリオン法律事務所までご相談ください。盗撮事件対応経験を有する弁護士が、お話をお伺いします。


著作者:弁護士 枝窪 史郎

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