本文へスキップ

大麻に関する罪の解説

渋谷駅徒歩5分・池袋駅徒歩2分・横浜駅徒歩5分
【刑事事件に迅速対応!】平日20時・土日祝17時まで営業

大麻に関する罪の解説

1 大麻の所持は違法

 現在、日本において、大麻は違法薬物とされています。大麻の所持、使用を合法とする国や州もあり、種々の見解もありますが、少なくとも、我が国において所持等することは、大麻取締法という法律に違反し、刑事罰を科される行為となっています。

2 どのような形態でも違法になるのか

 しかし、CBDオイル・リキッドを含む商品が一般の煙草販売店等で売られていたり、七味唐辛子の中に麻の実が含まれていたり、大麻に関連しながら違法とならない商品も存在します。どのような形態で大麻と関わることが違法になるのでしょうか。

⑴ 大麻とは何か

 日本において大麻取締法に違反することとなる大麻とは「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう」とされています(大麻取締法第1条)。同法は「ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く」ともしています。そのため、大麻取締法が対象としているのは、大麻草の葉、樹脂およびこれを加工した製品ということになります。具体的には、大麻草の葉や花そのもの、乾燥大麻、乾燥大麻入りのタバコ、大麻草から抽出等した樹液、その加工物(リキッド)、大麻樹脂を含む製品等となります。成熟した茎や、種子が規制対象から除かれるのは、大麻の成分と関係しています。

⑵ 大麻に含まれる成分

 大麻には、主に、CBD(カンナビジオール)、THC(テトラヒドロカンナビノール)といった成分が含まれています。この内、幻覚、妄想等の有害作用を生じ、依存症や、精神障害等の有毒性があるのは、THCという成分と解されています。このTHCという成分は、大麻草の樹液及び樹液を内包する葉や花の中に多く含まれていますが、成熟した茎や種子にはあまり含まれていません。そのため、規制対象から、成熟した茎や種子は除かれています。また、CBD成分については、違法とされておらず、同成分を主とするリキッドやオイル、グミなどの商品は、違法とされていないのです。

⑶ リキッドやクッキーも違法

 簡潔に整理すると、大麻取締法違反の対象となる大麻とは、THC成分を含むものということになります。そのため、製品の形態に関係なく、THC成分が含まれていれば、規制対象となります。リキッドやグミの形態ならば違法ではないというわけではありません。

3 違法とされる行為

 大麻取締法第3条は「大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない」としています。ここにいう大麻取扱者とは、都道府県知事の免許を得て大麻を栽培、研究する者をいいます。

⑴ 単純所持、譲渡・譲受

 上記より、まず、大麻を所持することは違法となります。所持とは、自分の支配下に置くことを指しますので、実際に手に持っておらず、家に保管していることも所持にあたります。自分自身で保管していなくとも、他人を介して保管させておくことも、所持(共同所持)にあたりえます。また、無償であっても、他人へ譲渡したり、譲り受けたりすることも違法となります。
 なお、同法24条の7より、自分自身は一度も所持せず、直接譲渡等しない場合でも、これらをあっせんしたような場合、違法となります。大麻を欲しがっている人物に、無償で、大麻を持っている人物を紹介するような行為も違法ということになります。

⑵ 営利目的所持

 上述した単純所持が、自分で使う目的で所持することを指すのに対し、人に売るなど、営利的な目的で所持していた場合、より重い罰則が定められています。これは、利得を得ようとする点の悪質性の強さと、販売・頒布により、大麻を広く蔓延させることの影響を重く見ているものと考えられます。営利目的があるかは、例えば、所持していた人物から購入したことがあるという証言や、売買に関するスマートフォン等でのやり取り、収支表などの、販売の事実を示す各証拠から認定されます。

⑶ 栽培

 大麻を栽培することも違法とされており、単純所持よりも重い罰則が定められています。栽培の事実は、栽培器具の購入、設置、工事などの事実から認定されます。周辺住民が臭気により通報することや、異常な電気料金などを経緯として発覚するケースがあります。自分自身は大麻を栽培していなくとも、栽培することを感づいていながら、工事や設置を手伝ったというようなケースでも、共犯者とされるおそれがあります。

⑷ 輸出入

 大麻を輸出入することも違法となります(大麻取締法第4条1項1号)。外国では合法だからといって、輸入してしまえば、それは違法行為になります。

⑸ 使用

 大麻取締法上、覚醒剤やMDMA、LSD等の違法薬物と異なり、通常の使用行為は、違法とはされていません。このこと自体は、インターネットなどにより広く知られている知識でもあるため、使用するだけなら、何ら違法とはならないのだと解されている方も多くいます。しかし、使用する際には、通常、同時に、所持する行為を伴います。そのため、使用自体に罰則がないとしても、使用した場合には、所持をしたものとして、刑事罰が科される結果になる可能性が高いといえます。例えば、仲間内で回ってきた大麻を一口吸ったというような場合も、共同所持とされる可能性も十分にあります。
 大麻使用に関して、詳しくは、「大麻の使用は合法?」の記事をご参照ください。

4 大麻に関わってしまった場合は弁護士に相談を

 このように、大麻に関与してしまった場合、ほとんどのケースが法に抵触することになります。一方で、大麻取締法違反による検挙者数は、若年層を中心に平成26年以降、増加の一途をたどっています。例えば、渋谷のクラブで遊んでいたときに友人の友人から誘われてつい使ってしまった、ツイッターなどのSNSで購入の誘いかけがあって買ってしまったなど、軽い気持ちで手を出してしまう方が多い状況です。では、大麻に関与してしまった、お子様が大麻に関与して言うことを知ってしまったというときは、どうしたらよいでしょうか。 以下に述べるところから、早期に弁護士に相談すべきと考えます。

⑴ 発覚しやすい犯罪である

 大麻の所持が発覚するケースの多くは、職務質問およびこれに伴う所持品検査です。薬物事犯が出入りする可能性ある施設周辺では、警察も重点的に職務質問等を行いますし、薬物事犯の可能性ある人物の特徴などを把握しています。また、大麻所持は、基本的に、他者から購入するケースがほとんどであり、その売買のやりとりが、スマートフォンの記録などに残りやすいことから、一人が検挙されることで、周辺人物も検挙される傾向にあります。このように、検挙されるルートの多さなどから、発覚しやすい犯罪であるといえます。

⑵ 身柄拘束に対する対応

 大麻取締法違反を含む薬物事犯においては、立件された場合、非常に高い確率で、身柄拘束がされてしまいます。これは、前述のように、売人や共同所持者などの関与者がいる傾向にあることや、薬物や、これに関するスマートフォン上のデータなどは、処分が容易であると考えられ、証拠隠滅行為に出やすい犯罪であることなどが理由と考えられます。身柄拘束されてしまえば、外部との接触は著しく制限され、会社や学校も休まなくてはなりません。 そうなったときに、外部との連絡窓口となれる弁護士に依頼することは、必須といえるでしょう。また、弁護士から適切な主張をすることで、身柄拘束期間を短縮したり、逮捕されることを回避できたというケースも増えてきています。

⑶ 公判対応

 薬物事犯の多くは、裁判によりその罪の有無、量刑を判断されることになります。大麻の単純所持については、初犯であれば、執行猶予付きの判決がなされる可能性が高いですが、適切な公判対応をしなければ、初犯であっても、実刑判決となることも当然あります。営利目的があると疑われているような場合や、所持量が多いといったケースもあります。そのような場合を含め、薬物事犯についての経験を多く持つ弁護士に依頼するべきといえます。

⑷ 依存症治療

 刑事事件対応という面のみならず、大麻を含め、薬物を所持、使用している人物は、知らず知らずのうちに、依存症に陥っていきます。早期に依存から脱却しなければ、取り返しのつかないことになります。弁護士にご相談いただくことで、依存症治療に関して、依存の度合いなどから適切な専門機関を一緒に探していくことができます。
 大麻に関与してしまった、ご家族が大麻に関わってしまったという方は、まずは、オリオン法律事務所までご相談ください。大麻取締法違反事件の対応経験を有する弁護士が担当可能です。


著作者:弁護士 枝窪 史郎

前のページに戻る

弁護士法人オリオン法律事務所の法律文献

弁護士法人オリオン法律事務所

刑事事件案内トップ > 薬物犯罪 > 大麻に関する罪の解説

バナースペース

スマホでご覧の方へ

本サイト内の各ページへはページ左上のボタンからリンクして下さい。

弁護士法人オリオン法律事務所

オリオン渋谷事務所
東京都渋谷区神南1-11-4
FPGlinks神南6階
TEL 03-5489-7025


オリオン池袋事務所
東京都豊島区南池袋2-15-3
前田ビル3階
TEL 03-5957-3650


オリオン横浜事務所
横浜市西区北幸1-11-15
横浜STビル2階
TEL 045-900-2817

営業時間

平日… 9:30~20:00
土日祝 9:30~17:00

対応地域

東京都
豊島区│板橋区│練馬区│文京区│新宿区│中野区│北区│台東区│墨田区│荒川区│足立区│葛飾区│江東区│港区│渋谷区│目黒区│杉並区│大田区│世田谷区│品川区│西東京市│東久留米市│清瀬市│武蔵野市│三鷹市│小金井市│その他の市区町村


埼玉県
さいたま市│川口市│戸田市│蕨市│和光市│朝霞市│新座市│志木市│その他の市町村


神奈川県
横浜市│川崎市│大和市│厚木市│相模原市│鎌倉市│綾瀬市│座間市│海老名市│藤沢市│逗子市│横須賀市│茅ヶ崎市│平塚市│その他の市町村