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勾留延長がされる場合とは?

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勾留延長がされ身体拘束が続く場合とは?

1 勾留延長とは?

⑴ 身柄拘束の概要

 犯罪行為を行ってしまった、犯罪に関与してしまったというときに、逮捕をされてしまうことがあります。逮捕されてしまった場合、その後、勾留という身柄拘束が続き、最大で、23日間の身柄拘束がされることもあります。最大で23日間としているのは、法律の定めにより、逮捕は最大で3日間、勾留は最大10日間、そして、勾留延長が最大で10日間とされているからです。以下では、勾留延長とは何か、どういうときにされてしまうのか、されてしまった場合の対応について説明します。

⑵ 勾留延長

 逮捕に続いて勾留がされてしまった場合、検察官は、10日以内に公訴提起しないときは、釈放をしなければならないとされています(刑事訴訟法208条1項)。すなわち勾留されてしまうと、10日間は身柄拘束がされることになります。刑事訴訟法208条2項は、「やむを得ない事由」がある場合は、検察官の請求により、裁判官が勾留期間を延長することができると定めており、その延長期間は、最大で10日間とされています。この身柄拘束期間の延長を、勾留延長といいます。

2 勾留延長がされる条件

⑴ 法律の定め

 法律上の定めからすると、原則として、10日の勾留期間の間に、公訴提起するか、釈放するかを決定しなければならず、勾留延長は、やむを得ない事由があるときの、例外的な手続となっています。しかし、拘束がされてしまうと、多くの場合、勾留延長がされてしまうというのが実情です。多くの事件では、法律の定める勾留延長の条件をクリアすると、裁判官が判断しうるような状況が認められるためです。

⑵ 「やむを得ない事由」とは?

ア 法律上の条件

 法律上、勾留延長を認める条件は、「やむを得ない事由」があるときとされています。ここでいう「やむを得ない事由」とは、「事件の複雑困難、あるいは証拠収集の遅延ないし困難等により勾留期間を延長して更に取調べをするのでなければ、起訴・不起訴の決定をすることが困難な場合」(最高裁昭和37年7月3日判決、民集16巻7号1408頁)をいいます。 事件が複雑で、証拠収集に時間を要するなど、勾留期間を延長しなければ、起訴するか否かを決定するのに必要な捜査が終わらないというときに、勾留延長がされるということになります。

イ このようなケースは勾留延長がされやすい

 ① 共犯者がいる事件

 共犯者がいる事件では、共犯者同士の供述の食い違いなども生じえるので、これを精査する必要があります。また、共犯者が多数いるような事件では、事件が組織的で複雑であるため、勾留延長が認められやすいといえます。

 ② 被疑者と被害者・目撃者の供述が食い違う事件

 供述内容の食い違いという観点からは、被疑者と目撃者や被害者の言っていることに食い違いがあるようなケースも同様のことが言えます。

 ③ 罪を認めていない、黙秘している

 起訴するか不起訴とするかを判断するには、犯人と疑われている人物=被疑者の供述を聞かなくてはなりませんし、被疑者が罪を認めていなければ、本当にやっていないのかどうか、精査する必要があります。そのため、このようなケースでは、勾留延長が認められることが多いです。

 ④ 余罪がある

 現在、逮捕勾留されている事件とは別に、犯したと疑われている事件(過去に起こして既に処分を終えている前科とは異なります)のことを余罪といいます。余罪がある場合、この余罪の捜査のために勾留延長する必要があるとして勾留延長請求がされることがあります。本来、法的には、余罪捜査のための勾留は認められません。しかし、余罪捜査のための勾留が認められてしまうこともあります。 この点は、弁護士の適切な主張をもって争わなくてはなりません。

3 勾留延長がされてしまったら

⑴ 勾留延長の手続

ア 検察官による請求

 検察官が「勾留を延長すべき」と判断したときは、裁判所に勾留延長請求をします。基本的には、勾留の満期(勾留請求日から数えて10日)にされることになりますが、満期の日が土日にかかるときは、その前の金曜日に延長請求がされます。

イ 裁判官による判断

 裁判官は、検察官の勾留延長請求をうけて、勾留延長をするか否かを判断します。その結果、勾留延長となれば、その旨が、留置場にいる被疑者に連絡されます。勾留延長とならなかったときは、その日に釈放されます。

⑵ 勾留延長をされないための活動

ア 意見書の提出

 勾留延長は上記の流れで決定されるため、勾留延長を回避したい場合、弁護士から、検察官や裁判官に勾留延長請求や、同請求の許可をしないよう求める意見書を提出します。

イ 意見書に記載すべきこと

 意見書においては、勾留延長の要件である「やむを得ない事由」がないということを主張していきます。具体的には、事件が複雑なものではなく、身柄拘束して捜査をする必要がないこと、共犯者間の供述の食い違いや、被疑者と被害者・目撃者間の供述の食い違いが些細な内容にとどまること、捜査や証拠収集をするための時間は十分にあり、勾留期間の間にこれらを終了できなかったのは捜査機関の怠慢にすぎないこと、勾留延長をすると被疑者やその家族に多大な悪影響があることなどを、事件ごとの事情に応じて主張していきます。 また、勾留を延長したとしても、起訴不起訴の判断のための捜査への支障がなくなるわけではないという主張をすることも考えられます。例えば、証拠となる携帯電話内のデータについての解析が未了であることなどが勾留延長の理由であるような場合、延長の最大期間である10日間の間に解析が終了する見込みがないのであれば、延長をする理由にならないということになります。 そのような主張をするためには、弁護士において、予め検察官に連絡を取り、勾留延長請求の意向、時期を確認するとともに、理由や理由となる捜査終了の見込などを確認しておくことが必要になります。

⑶ 必ず10日間延長される?

 裁判官は、検察官の請求に対して、必ず請求のとおりの期間で勾留延長を許可するわけではありません。裁判官が、10日間の延長は不要であると考えれば、検察官が請求した日数よりも短縮した上で請求を認めるということもあります。

⑷ 延長されてしまった場合の弁護活動

 勾留延長がされてしまった場合には、準抗告という手続によって、勾留延長許可の是非を争うことになります。その際に主張する内容は、基本的には、意見書に記載したものと同様にはなりますが、勾留延長許可がされた理由を精査し、勾留延長するとしても期間は短くて良いはずであることを根拠と共に主張するなど、戦略の変更をしていくこともあります。

⑸ 勾留延長を阻止しない方がよいケースも

 基本的に、検察官は勾留ないし勾留延長期間の満期に起訴するか否かを決定します(決定できないようなときは処分保留で釈放することもあります)。証拠が十分にそろっているケースでは、起訴されることになりますが、それでも起訴をしないという判断になることがあります。被害者の方と示談が成立したような場合です。こう考えると、身柄拘束の満期は、証拠上起訴されることが確実だが、示談をする余地があるようなケースでは、示談をするためのデッドラインといえます。そのようなケースにおいて、勾留期間中には示談交渉が終結しないが、あと少し時間があれば示談が成立しそうだという場合、むしろ、勾留延長をされて、示談交渉をするための期間を延ばした方が、最終的に不起訴となる可能性があるため、被疑者にとって利益になるということがあります。この点は、弁護士による適切な判断が必要になります。

4 弁護士に相談を

 以上のとおり、逮捕されてしまった場合には、勾留に続き、さらに勾留延長がされ、起訴前の段階で、最大23日間の身柄拘束がされる可能性があります。職場や学校などとの関係を考えると、このような長期拘束は、重大な支障を生じ、最悪、生活基盤の崩壊にもつながりかねません。しかし、弁護士の適切な対応によって、勾留延長の回避や、勾留延長がされてしまった場合にも、その期間を短縮させることも可能です。1日も早い身柄解放のために、ご自身やご家族が逮捕されてしまったようなときや、逮捕が予想されるときは、渋谷・池袋・横浜のオリオン法律事務所にご相談ください。周辺地域での刑事事件対応経験を有する弁護士がお話をお伺いいたします。


著作者:弁護士 枝窪 史郎

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